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よい提案の選び方。または内部統率、決裁フローの重要性について

初版公開日:2019/4/14

最終更新日:2019/4/20

コンペの提案期日がくると次々に提案があがってきますが、提出された提案を誰が見て、どのように決定するのか決まっていますでしょうか。

スポーツなどと違って勝手に勝ち負けが決まって1社の提案だけが残る訳ではありません。

自分たちで提案の全てを確認し、どの提案が良いかを選ぶ必要があります。

このページでは、提案を選ぶ際や今後のプロジェクトの進行において重要な決裁フローについて説明します。

よい提案の選び方

ホームページの制作やリニューアルの提案を受けるのが初めての場合、一人で提案の善し悪しを判断するのは難しいかもしれません。

どれも素晴らしく思えたり、逆にどれもツマラナイ提案に思えたりするかもしれませんが、最終的には優劣をつけて一社を選ぶ必要があります。

提案の善し悪しを計る基準は様々です。

価格、スケジュール、斬新さ、提出の早さ、プレゼン時の説得力、安心感、提案書の綺麗さ、担当者の人柄などなど、挙げ始めたらキリがありません。

こういった項目をとにかくたくさん出して、すべて採点してもっとも得点が高かった会社を選ぶというのも一つの手法です。

上司が気に入った会社を選ぶのも一つの方法ですし、とにかく一番安いところに決めるということもあるでしょう。

どの決め方も否定はできませんが、絶対に確認して欲しい内容があります。

それは「その会社に依頼して本当に目的を叶えられそうか」ということです。

ついデザインの派手さやプレゼンのうまさ、資料の綺麗さや担当者の人柄などで決めてしまいたくなったりすると思いますが、目的が叶わなければ意味がありません。

どんな素晴らしい提案に見えても目的達成への道筋が見えない提案に関しては、積極的に落とすようにする方が良いでしょう。

誰が決めるのか?

リニューアルプロジェクトのプロジェクトチームがきちんと発足し、役割が明確化されていればおのずと決まっているかもしれませんが、誰が最終的な決裁権を持っていて、どこまでを誰が意思決定をしていいのかは明確にしておきましょう。

プロジェクトチームの多数決で決めるのか、議論で決めるのか、決裁権を持った人の独断で決めるのかでは大きな違いがあります。

この辺りは会社によって大きく異なってくる部分ですので、どのような体制がベストであるとは言えませんが、誰がどんな決裁権をもっているのかをメンバー全員が理解し、納得していることが重要です。

特に制作進行の過程では多くの意思決定が必要になってきます。

デザインの決定をする際などは特に顕著で、担当者レベルでOKが出ていたものが部長でNG、部長までOKが出たものが社長でNGなんていうことはよくある話ですが、その度にデザインを修正することになります。

そうなるとそさっそく進行に問題が出始めます。

このような恐れがある場合は事前に伝え、その分の工数を見込んで見積りやスケジュールを作って貰う必要があるでしょう。

コラムで詳しく書きたいと思いますが、スケジュールを守るのは受託側だけではなく、確認をしてフィードバックを行う発注者側にもあることを忘れてはいけません。

そしてできれば担当者以外の決裁者は一人であることが望ましいです。

もっと言えば決裁者などおかず、合理的な判断を行う場のみがあった方が上手くいくでしょう。

上司でも社長でも主観での意思決定はNGだということを事前に徹底しておく

リニューアルプロジェクトにおける意思決定の基準は目的を達成できるか否かが9割になります。

デザインの善し悪しを判断するのに上司の意見や社長の趣味などまったく必要ありません。

プロジェクトの目的を最初に明確に共有することで念を押しておきましょう。

上司に意思決定を仰ぐ際もどちらがいいかを聞くのではなく、しつこいくらいに「目的の○○を達成するにはA案の方が~」と繰り返すことで、主観を挟みにくい空気を自然と作って行きましょう。

合理的ではない判断を排除することがホームページリニューアルの成功確率をあげることに繋がるでしょう。

提案のブラッシュアップは可能

提出された提案をそのまま実行しなければならない訳ではなありません。

どの会社に発注するのかが概ね決まったら提案をブラッシュアップすることを考えましょう。

提案のブラッシュアップのタイミングは少しだけ難しいです。

発注するパートナーが決まっていればそのパートナーと一緒にブラッシュアップしていけばいいですが、何社かで迷っているといった場合もあるでしょう。

そんな時は正直にどの部分で迷っているのかを伝え、提案を修正してもらいましょう。

発注意思が決定していないこの段階では、制作物の詳細まで定義するのは多大な労力を要するため、選ばれる可能性が低い会社には修正を依頼せず、本当に悩んでいる二社程度に収めるのがよいでしょう。

詳細な要件については発注確定後に詰めることが可能です(見積りの増減は必ず出ます)ので、選定においてクリティカルなポイントに絞って修正を依頼するようにしましょう。

まとめ

優秀な企画提案を選び、制作パートナーを選定するのがリニューアルプロジェクトチームにおいて一番最初の外部に向けた意思決定になります。

制作が開始されると事あるごとに意思決定が必要な場面が登場します。

その都度、誰が意思決定をするのか、どういったワークフローにするのかを検討していたら大変です。

誰がどこまでの権限を持っていて、どの項目が誰のチェックが必要なのかをメンバー全員が共有できている状態をつくりましょう。