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ホームページリニューアルのコンペを開催する準備

初版公開日:2019/4/14

最終更新日:2019/4/27

いくつかの会社をピックアップしたら一社ずつ担当者に来てもらい、会社説明や実績の紹介などを受け、この会社に委託したいと思えるかをチェックしましょう。

既にある程度フィルタを通ってきている会社ですので、あまり優劣は感じられないかもしれませんが、担当者の人柄なども選ぶポイントになるでしょう。

もしもホームページリニューアルの全体像や作る機能などが決まっていればこの時点で一社ずつに要件を提示し、それを実現するための体制や見積りを作って貰うことが可能ですが、実際はどの様な目的の実現経路が良いのかのアイディアの部分から考えて貰いたいという場合が多いでしょう。

そんな時はコンペティション(以下コンペ)を開催し、複数の企業から多様な企画提案を貰うことも検討してみましょう。

はじめての連絡で「ホームページをリニューアルしたいのですがコンペに参加しませんか?」と言っても興味を持ってくれる企業は多くないかもしれませんので、まずは一社ずつ会って、その際にコンペを検討している旨を伝えるのが良いでしょう。

コンペの準備には時間も手間もかかるので、信頼できる会社がこの時点で見つかってしまえばそれに越したことはなく、必ずしもコンペを開催しなければならない訳ではありませんので、とにかくたくさんの会社に会って話を聞いて選ぶというのも一つの方法になります。

コンペを開くには?

テレビドラマなどでもよく目にすると思いますので、コンペについて改めて説明する必要はないかと思いますが、複数社が競って企画をプレゼンし、そのうちの一社(時には役割ごとに複数社ということも)にそのプロジェクトを任せるという流れになります。

ケースによって異なりますが、大半がプロポーザル方式とコンペ方式を混ぜた選定方式が採用されます。

役所などの公的組織でなければコンペを開催するにあたって法的な条件やルールのようなものは存在しません。

ただ、声をかけられた企業側からしても、参加するもしないも自由なので、参加したくなるような条件がなければ参加企業は集まってくれないでしょう。

その条件としては、大きくは以下の3個になります。

潤沢な予算

いきなり痛い条件かもしれませんが、もしもあなたが賞金100万円のクイズ大会と、賞金1000万円のクイズ大会のどちらかしか参加できないとしたらどちらに参加するでしょうか。

これと同じように、いえ、個人ではなく採算を考えなければならない企業ですので、似たような条件のコンペが開催されていればもっとシビアに見られるでしょう。

ではどれくらいが一般的な予算なのでしょうか。

予算の考え方についてはホームページリニューアルの予算で詳しく書いていますが、RFP(提案依頼書)の内容によって大きく変わってしまいます。

目安にすぎませんが、10万円や20万円では難しいと思って頂き、最低でも100万円程度は予算がないと参加側からすると厳しいと感じられると思います。

また、予算が少な過ぎると出来ることも限られてしまい、どの会社からも似たようなアイディアが集まってしまいコンペを開く意味も薄れてしまうでしょう。

自社のブランドが優秀かどうか

直ぐにはどうにも改善のしようがないことですが、誰もが知っている会社やブランドのホームページのリニューアルをしたという実績は、制作パートナーにとって後々多くの利点を生み出します。

自社が名も知れない小さな会社ということであれば現時点では諦めるしかありませんが、自社の名前が大きければ大きいほど、コンペに参加したいと思う会社は増えるでしょう。

やろうとしていることが先進的かどうか

制作パートナーにとって実績は後の営業において大きな武器になります。

有名な会社の案件を請け負いましたという実績もさることながら、こんな新しいことにも対応していますというのも重要な実績になります。

実際はコンペのプレゼンにおいてどんなことをやるのかが決まる場合が多いので、「こんな最先端なことをするので」という募集の仕方は難しいですが、新しい提案も享受するような募集要項にするのがポイントになります。

予算が確保されていて、プロジェクトが実行されることが決定していて、スケジュールやその他条件に無茶がなく、出来レース(既に90%くらい頼もうと思っている会社がある状態)でなければ、コンペに参加をしてくれる会社は少なくないでしょう。

コンペに参加する側から見ても、明確な案件ニーズがそこにあり、予算も存在している状態で声をかけてくれているというのは、営業コストが非常に低くなるため、非常に嬉しいものでもあるのです。

何をコンペするか?

ホームページのリニューアルの何をアウトソースするのかによってコンペの開催意図が少しずれていきます。

作るものまで自分達で決めることができたのであれば、あとは実際に作って貰う部分をやって貰うことになるので、具体的な実現案、デザイン、制作体制、見積り、スケジュールなどを提案して貰うことになるでしょう。

リニューアルをするということと目的までは決められたけれど後の工程はお願いしたいという場合であれば、その目的の実現方法のアイディアから一緒に決めててもらう必要があります。そのため、具体的な企画内容よりも実績などで比べることになります。

ざっくりとですが、前者をコンペ方式(優れた「企画提案」を選ぶ)と呼び、後者をプロポーザル方式(優れた「制作者」を選ぶ)と呼びます。

どちらかと言えば早い段階でプロの知見を享受できる後者の方がコンペのメリットを最大限に活かせるとは思います。

もちろん「この要件のサイトをいくらでいつまでに作れるか?」といった見積りコンペのようなものもあります。

昨今ではプロポーザル方式とコンペ方式が混ざった選定方式になっていることが多く、制作会社側の負担が大きくなってしまっています。

自社の状況を見極め、どのような目的でコンペを開くのかを明確にしておくと良いでしょう。

コンペを開催してアウトソース先を選定するのには時間がかかる

コンペを開催することを決めて参加企業を募ったら直ぐにプレゼンを受けられるという訳ではありません。

参加企業側にも企画などを準備する時間が必要です。

短いスケジュールにすることも可能ですが、短期間で練られたアイディアよりも、きちんと細部まで考えられたアイディアを用意してもらう方が良いのは言うまでもないでしょう。

  • コンペ、オリエンテーションの準備をするのに2週間
  • 参加企業を探して募るのに2週間
  • プレゼン準備期間に最低でも2週間
  • 全社のプレゼンを受け選定するのに1週間

ざっと計算しただけでもアウトソース先を決定するのに1ヶ月半~2ヶ月はかかることを見込んだ方が良いことがわかります。

頑張れば準備期間はもっと短縮できますし、参加企業を集めるのももっと短くできるかもしれませんが、時間がかかるという認識と、参加企業側になるべく時間を与えるという意識を持っていると、よい提案を受けられる可能性が高くなるでしょう。

コンペにはお金もかかる

えっ?と思われる方もいるかもしれません。

無料で参加企業を募ることも可能ですが、参加企業は調査をするのもアイディアを練るのもデザインを作るのにも全てお金がかかります。

コンペに勝てば案件の受注、負ければ何もなしというのもそれほど理不尽という訳ではありませんが、多少なりともコンペ費が出ると嬉しいものです。

コンペの参加に対して利益をあげようとする会社はないと思いますが、そこにかかる費用は抑えたいと思う会社は多いでしょう。

また、提示された予算によって使用できるコンペ費の上限が社内ルールで決まっている場合もあります。

そうなると、せっかく良いアイディアがあるのにも関わらず、それをカタチにするための予算がないため提案できないということが起こり得ます。

無償の状態でどれくらい熱意を持ってやってくれるかという判断基準もあるかもしれませんが、パートナーとなり得る相手を使役するような方法はトータルで見た場合、決して良い結果を生まないでしょう。

それに有償でも熱意は充分に判断可能でしょう。

すべての会社にそれなりの金額を支払っていたら予算がいくらあっても足りないという場合は、少なくとも参加者側は提案の準備にお金がかかっていることを考慮するという姿勢を見せるようにしましょう。

それだけでも、良い提案を集めるポイントになるかもしれません。

これからパートナーとなってくれる会社を選ぶ訳ですから、相手側からもこの会社は信頼できると思って貰う必要があるでしょう。

そのためには横柄な会社だと思われないようなフォローはするべきです。

少しでも理解を示すために、最終的に選ばれた会社に対しては見積りに対してコンペにかかった実費を追加しても良い(上限あり)ということにしたり、本当に少ない額でも一律で全社に支払うなどは行っても良いかもしれません。

きっとその行為は最終的にプロジェクトの成功に繋がってくると思います。

コンペには事前準備が必要不可欠

次章で詳しく書きますが、コンペをやる旨を通知したら自動的にコンペが開催され、プレゼンの日が決まる訳ではありません。

参加希望企業が集まったらオリエンテーション(依頼内容を説明会)を開き、書面だけでは説明しきれない要件などについて各社に説明します。

どれだけ良いオリエンテーションを開けるかは、どれだけ良い提案依頼書(RFP)を準備できるかにかかっています。

コンペとなると発注側はつい受け身になりがちですが、良いプレゼンを受けるには良い準備が必要であることを認識しましょう。

提案依頼書(RFP)が完成してオリエンテーションの準備ができたら、開催の旨の連絡を各社に出しましょう。

まとめ

コンペ、オリエンテーション、提案依頼書(RFP)、この三つが重要なキーワードです。

コンペを開催するためにオリエンテーションが必要になり、オリエンテーションを開くのに提案依頼書(RFP)の準備が必要になります。

ホームページリニューアルラボではホームページリニューアルにおけるコンペの開催支援や、提案依頼書(RFP)の制作支援を承っています。

コンペの開催や提案依頼書(RFP)の準備についてお困りのことがございましたら、是非お問い合わせください。