記事

ホームページリニューアルにおけるWBSの重要性を理解する

初版公開日:2019/5/13

最終更新日:2019/5/13

こんにちは。

WEB制作会社と事業会社にて制作側と発注側の両方の経験を合計12年以上、WEB担当(ディレクター・エンジニア・SEOコンサル)として中小企業から大手企業まで幅広いクライアントのWEBにおける課題解決をお手伝いしてきました竹内と申します。

この記事のテーマでもある要件定義にもたくさん携わってきました。

この記事ではWBS(Work Breakdown Structure)というものについて説明したいと思います。

WBSの最適な日本語訳は難しいですが、何を・誰が・いつまでに行うのかをまとめたものになります。

作業工程表やプロジェクト計画表など、他の名前で呼ばれることもあり、少し詳しく書いたスケジュール表で代替する会社もあります。

WBSとは?

言葉で説明するよりも見た方が早いと思いますので、下記からダウンロードしてみてください。

WBSテンプレート(Excel形式)をダウンロード

このように、WBSはWEBサイト制作にまつわる全てのタスクを一覧化して、そのタスクを「誰が」「いつまで」に行うのかを記したものになります。

わかりやすくガントチャート(スケジュール表)が付随することが多いですが必須ということではありません。

必須なのは何を・誰が・いつまでに行うのかが書かれていることです。

WBSは要件定義が終わって作るものが決まった段階で作ることができます。

すべてのタスクを一覧化することができれば抜け漏れも減り、進行がスムーズになりますし、誰が何をやればいいのか一目瞭然でわかりやすいです。

誰が何をやっているのかが見えにくいプロジェクトは問題が起こりがちです。

それは発注者側も同じことです。

なので「誰が」の箇所は制作パートナー側の担当者だけではなく、発注側の担当者の名前も入れられるようしてもらえればやらなければいけないことが明確になるでしょう。

WBSに書かれたタスクを処理していればプロジェクトが円滑に進むというくらいの資料になるのが理想と言えます。

WBSのタスクの粒度について

プロジェクトの規模にもよりますが、細かいタスクまでWBSに書いてしまうととても膨大な行数になってしまいます。

この辺りのバランス感覚は制作パートナーに任せればいいですが、自分が確認しやすい粒度になるように調整してもらうのも大事です。

例えば、サラリーマンの1日の予定をWBSにした時に「ランチ」とざっくり書くか、「食べたいものを決める」「お店に行く」「帰りにATMに寄る」とその時間の行動を細かく書くかで大きく違ってきます。

同様に9時~18時が「仕事」とだけ書かれていても、その時間内で何が行われるのかはまったくわかりません。

これではWBSの力が充分には発揮されません。

WBSは一つでなければいけない訳ではありませんので、粒度ごとに複数のWBSを作ってもらうのもよいでしょう。

WBSのメリット

WBSはメリットを感じながら使うものというよりも、これがなければプロジェクトの進行が難しいというくらい必須なものですが、いくつかWBSが存在することで得られる利点を挙げてみたいと思います。

タスクの責任の所在が明確になる

上に書いた通りで、そのタスクを「誰が」「いつまで」に行うのかが明確になるので、規律のあるプロジェクト進行が可能になります。

スケジュールが明確になる

何がいつまでに終わり、何をいつ確認しなければならないかが一目でわかるようになりますので、いつどれくらいの時間を空けておけばいいのかが事前にわかります。

そしてそのスケジュールに無理があれば事前に調整することも可能になるでしょう。

進捗の確認ができる

どのタスクがいつまでに終わるのかがかわるので、遅延している場合は直ぐにわかるようになります。

遅延の可能性がある場合は制作パートナー側から連絡があるのが通常ですが、ない場合は確認してみるといいでしょう。

タスクの依存関係がわかりやすい

「Aが終わらないとBに着手できない」「CとDは同時に進行はできない」「先にEの確認をしておけばFに先行着手できる」こういったタスク同士の依存関係もわかりやすくなります。

WBSの運用で気を付けること

一見、いいところばかりに見えるWBSですが、使われ方が下手だと無用の長物になりかねないので注意しましょう。

いくつか注意ポイントを挙げてみます。

資料の更新は簡単にできるようにする

発注側が気にするところではありませんが、制作側のWEBディレクターがWBSの修正ばかりに時間をとられているのは健全ではありません。

資料を更新するのが目的ではなく、プロジェクトを円滑に進めるためのものなので、時間をかけずに更新できるようなものであるのが望ましいです。

誰がいつ何を変更したのかをわかるようにする

WBSに限らず共有される資料は変更履歴を追えるようにしてもらいましょう。

同意なく、勝手にスケジュールを変更されてしまったらプロジェクトはグダグダになります。

発注者側の「確認期間」が入っているか確認する

デザインタスクが終わった後に直ぐに次の工程が入っている場合などは注意しましょう。

デザインの場合は必ず確認して指摘をする時間が必要になります。

「修正期間」が入っているか確認する

上記同様に、指摘に対して修正対応をする期間が見込まれているかを確認しましょう。

デザインが提出されたその日に即時確認、数時間で修正して確定させるのは無理があるでしょう。

当日の朝なのか23時59分までなのかを明確にする

「15日まで」という日本語の捉え方は人や場面によって異なります。

15日の朝には出来上がっているのか、15日一杯で出来上がるのか、営業時間内なのか、23時59分までなのか、ここに齟齬があると問題や不満が出るのは明らかでしょう。

まとめ

WBSはWEBディレクター(プロジェクトマネージャ)の頭の中にある進行方法や状況、タスクの割り振りなどを全員が理解できるようにアウトプットしたものとも言えます。

誰が何をいつまでにしなければならないのか、WEBディレクターから突然指示されるのではなく。事前にドキュメントとして提示されていれば全体を見渡しながら焦らずに対応をすることが可能になります。

誰が何をしているのかわからないプロジェクトほど不安なものはありません。

必ずWBSに準ずる資料を作ってもらうことをおすすめします。

もしもWBSの内容などに不安などがございましたら、是非、ホームページリニューアルカウンセリングをご検討いただき、お気軽にお問い合わせください。