ホームページリニューアルの目的と目標を設定する
初版公開日:2019/4/14
最終更新日:2019/5/26
こんにちは。
WEB制作会社と事業会社にて制作側と発注側の両方の経験を合計12年以上、WEB担当(ディレクター・エンジニア・SEOコンサル)として中小企業から大手企業まで幅広いクライアントのWEBにおける課題解決をお手伝いしてきました竹内と申します。
いよいよこの記事からRFP(提案依頼書)の制作に必要なことをひとつずつ説明していきます。
まだホームページリニューアルラボを読む前の準備を読んでいない人は先に読まれることをおすすめします。
WEBサイト制作の全体の流れを理解し、チェックリストを手元に用意したら順番に検討事項を埋めて行きます。
ホームページのリニューアルをする際に最初にすべきことは、ホームページリニューアルの目的と目標を決めることです。
ホームページリニューアルの目的とは?
一般的にホームページリニューアルの目的とはどのようなものがあるでしょうか。
よくある目的の例を挙げてみます。
- 売上を向上させたい
- 会社・商品の認知度を上げたい
- デザインが古くなったので新しくしたい
- リブランディングのため
- 良い仲間を採用したい
- ユーザーに新しい機能・コンテンツを提供したい
- 新しいデバイスに対応したい
- 検索エンジンで上位に表示されるようにしたい
ざっと挙げただけでも様々な視点からの目的がありますが、どれも立派な目的だと思います。
まずは自分たちの目的が明確であるかを確認しましょう。
そもそも上司からミッションを与えられただけで、その目的が明確でない場合などもあるでしょう。
また、できれば目的は一つに絞りたいところです。
多くても三つくらいでしょうか。
複数個ある場合は必ずその優先順位をつけておきましょう。
優先順位がついていないと、目的Aを叶えるにはA案を、目的Bを叶えるためにはB案を採用すべきという場合に、どちらの案を採用すべきかがブレてしまいます。
時にはA案を選び、時にはB案を選ぶということを繰り返してしまうと、どちらの目的も叶い難い、中途半端なホームページになってしまう可能性が高くなります。
経験上、WEB制作において折衷案はあまりよい結果を生みません。
プロジェクトメンバーの全員がこのリニューアルの目的が何なのかを、その優先順位も含め、いつでもハッキリと答えられる状態であることがプロジェクト成功への第一歩となるでしょう。
ホームページリニューアルの目標とは?
リニューアルの目的を全員で共有できたら次は目標を決めましょう。
目的と目標は似ていますが、目標は目的を達成したか否かを計る指標のことです。
例えば目的が「売上を向上させたい」ということであれば、目標は「どれくらい向上させるか」ということになります。
ここで大事なのは必ず数字で計測できるものにすることです。
これは目的が売上の場合はそれほど難しいことではありませんが、「認知度を上げたい」といった目的だった場合、どのような状態になれば認知度があがったと言えるのかを考え、それを数値で表したものが目標となるのでなかなか難しくなります。
ホームページをリニューアル後に「営業先で自社のホームページの話題をよく聞くようになった」といった曖昧なものでは正確性に欠けます。
もし、こういったことを指標にしたいのであれば、リニューアル前にはどれくらいの頻度でホームページの話題が出て、リニューアル後にはどれくらいの期間でどれくらいの回数話題に出たのかを計測する必要があると思います。
ただしこの場合も、ホームページのリニューアル自体が話題になりやすいということも考慮すると、リニューアル効果が本当にあったのかを計るという意味では適していないでしょう。
できれば無作為のアンケートをリニューアルの前後におこなうなど、実数値が取れる方法を検討しましょう。
目標にはKGIとKPIの二つのレイヤーが存在する
一口に目標と言っても、計測期間の長さによって呼び方が違う
例えば「1年後までにサイトから売上げを120万円アップさせる」という最終目標があったとしたら、これはKGI(Key Goal Indicator/重要達成指標)と呼ばれます。
Goalなので最終達成指標というイメージですね。
一方で「1年後までにサイトから売上げを120万円アップさせるのなら3ヶ月後には最低でも20万円のアップが必要」という途中目標のことはKPI(Key Performance Indicator/重要評価指標)と呼ばれます。
日本語訳は「途中」という意味合いを含んでいないのでできれば英語のまま覚えた方がいいでしょう。
また、これはKPIとKGIのレイヤーの違いをわかりやすく説明するためにKPIとKGIの内容を同じ「○万円アップ」としましたが、本来のKPIはKGIと同じ結果指標だけではなく、KGI達成のための行動指標の結果を設定するのが望ましいです。
例えば「3ヶ月後にはPV数を1万件増やす」「購入単価を1,000円アップする」といった具合に、この指標を達成して行けばKGIが達成されるであろう指標をKPIとして掲げます。
KFSとCSF
KGI、KPIともう一つ、KFS(Key Success Factor/重要成功要因)という言葉があります。
英語の略語がたくさん出てくると覚えるのが大変なので、言葉自体よりもそんな指標があるということを理解していれば問題ありません。
これは例えば「売上アップ」という目標に対し、それを叶えるには「顧客満足度の向上」が必要であるとわかっている場合、これがKFSとなります。
言い方の違いでCSF(Critical Success Factor)と呼ばれることもありますが、「Key」か「Critical」か呼び方の微妙なニュアンスの違いがあるだけです。
目標と現状の差分を明確にする
目標値(KGI)が決まったら、今の成績との差分を記録しておきましょう。
お問い合わせの件数を月間で100件にするという目標であれば、今は何件なのか?
売上を100万円にしたいという目標であれば今はいくらなのか?
比較できるデータが取得できていなければ直ぐに取るようにし、最低でも一ヶ月はデータが貯まるのを待った方がいいでしょう。
目標の計測期間を定める
ホームページのリニューアルが始まると、誰もがサイトの完成をゴールとして動き始めます。
プロジェクトの期間が長過ぎるとモチベーションの維持などが困難になるため、それ自体は一概に悪いこととは言えませんが、サイトの完成はあくまでも一時的なゴールと定めることをお勧めします。
その理由は新しいホームページが完成しただけでは、先に掲げた目的が叶った訳ではないからです。
それでは本当のゴールはいつなのでしょうか?
本当のゴールは目的が叶った時、もしくは叶うと予想したタイミングになります。
目的が叶ったかどうかは目標が達成されたかで計りますが、新しいホームページが完成して公開した日というのは、まだ目標の計測0日目となります。
サイトのリニューアル自体が目的である場合を除き、公開0日目で目的が叶うことはないでしょう。
どんな目標も達成するには相応の期間が必要になります。
そして、その期間も含め目標を定める必要があります。
例えば一ヶ月で5kg痩せるという目標と、1年で5kg痩せるという目標では、その意味が違うように、期日も同時に定めることが重要になります。
サイトの完成を一時的なゴールと言いましたが、サイトの完成を2回目のスタート地点と定め、いつまでに目標を達成させるかの期日をゴールと定めるのがいいでしょう。
目標の計測方法と頻度を定める
最終的な目標計測日を定めたら、次は定期的な計測頻度を定めましょう。
これはKPIの設定と同義になります。
ホームページの利点の一つに、比較的容易に修正ができるということがありますので、リニューアルしたまま目標の測定日まで何も修正しないでいることはありません。
当初の想定通りに行かないのであれば、目標達成の為に手を尽くせば良いのです。
そうやって徐々に目標数値に近づけるためには、いつ、どうやって、どのように計測するのかを予め決め、手段を講じた場合には、その結果についても、いつ、どうやって、どのように計測するのかを決める必要があります。
講じた手段が全て良い結果に繋がるとは限りません。
上手く行かなければ戻し、さらに別の手法を試すといったことも必要になります。
そのためには、講じた手段についても、何を期待したのか、どの数値が伸びれば成功と言えるのかを最初に定め、ただ何となくで追加施策を行わないことが重要となります。
まとめ
目的を決めることの重要性、目標(KGI・KPI)の設定方法と指標の決定方法、計測期間を定め可能な限り必要な手段を講じて行く必要があるということの3つをご理解いただけたでしょうか。
明確な目的と目標値が決定し、プロジェクトメンバー全員がそれを認識して納得していれば、リニューアルプロジェクトは自ずと成功へ向かいはじめるでしょう。
少し時間を使ってても必ずこの部分はすり合わせておきましょう。
目的や目標(KGI・KPI)の決定に悩んだり、自信が持てない場合、ホームページリニューアルラボでは、ホームページリニューアルカウンセリングというサービスをご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。