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ホームページニューアルにおける現状分析について

初版公開日:2019/4/14

最終更新日:2019/4/20

課題の抽出が終わったら次は現状の分析を行います。課題抽出と似ていますが、出した課題が思い込みではなくデータとして正しいかどうかを検証していきます。

分析したデータは、現状と目標との差分の確認にも使えるでしょう。

どのようなデータを分析するか?

先ずは取れているすべてのデータをわかりやすくまとめましょう。どのような項目でも構いません。特に自分が興味ある項目や、誰かに教えたい項目、意外な数値が取れている項目など、とにかくデータを面白がってみましょう。

例えばですが、

  • PV数
  • コンバージョン数
  • 時間帯別アクセス数
  • 地域別アクセス数
  • ユーザーの男女比
  • デバイス別アクセス数
  • ページ別滞在時間
  • ランディングページランキング
  • 離脱ページランキング

など、Google Analyticsに準ずる解析ツールが導入されていればこれらの数字は詳細に取得できます。

可能であれば、3年・1年・6ヶ月・3ヶ月・1ヶ月といった期間別にまとめると、期間でのギャップなどが見つかるかもしれません。

夏物の商材を扱っているなど、商材によっては季節ごとのデータを集計するのが良い場合もあります。必ず単月のデータと任意の期間のデータの両方を集計するようにしましょう。

もしもこういった集計ツールが入っておらず、データが集計できないようであれば今日からでも集計を始めましょう。

そして集計開始時点から少なくとも一ヶ月分のデータを取得しましょう。

目的に対する現状値が認識できていなければリニューアルの成否が判断できないため、リニューアルプロジェクトのスケジュールが一ヶ月は伸びてしましますが仕方がありません。

取得したデータを読み込んで疑問を出す

データの分析と言われると苦手だと感じている人は少なくないと思いますが、ランキングが娯楽として成り立つくらいにはデータの集計結果を見るのは好きな人は多いはずです。

  • 一番閲覧者数の多かったページランキング
  • 一番閲覧者数が多かった曜日ランキング
  • 一番閲覧者数が多かった時間帯ランキング
  • 男性と女性はどちらが多いか
  • 一番多い性別/年齢はどれか

このようにランキング形式にすると見え難かったデータも見やすくなってきます。

データが見えてきたら次はそのランキングになった理由を考えてみてください。

  • なんでこのページのPVが多いんだろう
  • どうして火曜日のアクセスが多いんだ
  • 購入されるのは金曜日が多いのはなぜだろう
  • だいたい19時~22時の間に購入されてるのは購入者層が社会人だからかな
  • 女性が多いな。男性向け商品のはずなのになんでだろう。
  • 20時~21時のアクセスが飛びぬけて多いな。なぜだろう。
  • 思ったよりもスマホでのアクセスが多いな。今のサイトじゃほとんど対応していないから見難いはずなのに
  • 半数以上の人が商品Aのページから流入してるな。どこから来ているんだろう。

などなど、ランキングの理由を考えた時に自然と出てくる疑問を書き出しましょう。

この時に主観を混ぜ過ぎないのが重要です。例えばPV数が少ないなと感じた時、

  • 本当に少ないのか?
  • 何と比べて少ないのか?
  • ではどれくらいが多いと言えるのか?
  • その根拠は何か?

こういったことを考え、自分の感想に対して常に疑いを持つのも大事です。

取得したデータをもとに仮説を立てる

次は出した疑問に対して仮説を考えます。

  • アクセス数の男女比が変われば(男性のアクセスが伸びれば)もっと売上があがるんじゃないか
  • 20時~21時のアクセス数が多い理由を突き止め、他の時間帯でもアクセスが伸びるようにするといいのではないか
  • スマホ対応をもっとしっかりすればリピーターやサイト滞在時間が増えるのではないか
  • 商品Aのページの流入元を突き止め、同じように他の商品にもリンクができればアクセス数が伸びるのではないか

このような感じで多くの仮説が出てくると思いますので、より多くのメンバーで多くの仮説を出しましょう。

この仮説が当たれば当たるほど、リニューアル後の成果に結びつきます。

仮説を二つの軸で仕訳けする

仮説を出したら検証をする必要があります。

仮説の検証には時間がかかるため、本当に検証する必要があるのかを見極めるための仕訳けを行います。

仕訳けは、目的に対するステップ数によって行います。

例えば売上を向上させるという目的だった場合、

  • ○○すれば購入数が増えるのではないか? ⇒ 直接寄与 ⇒ ステップ数0
  • ○○すればアクセス数が増えるのではないか? ⇒ その結果、購入数が増えるのではいか ⇒ ステップ数1
  • ○○すれば滞在時間が増えるのではないか? ⇒ 滞在時間の増減と購入数との因果関係が不明 ⇒ ステップ数不明

このように分類することで、ステップ数が多いものほど、目的達成の寄与からは遠い仮説ということがわかり、検証をするかどうかの優先順位をつけるのが容易になるでしょう。

仕訳けの結果、無駄だと判断出来たものは排除し、残った仮説を「目標の数値に影響を与えるかどうか?」で再度分類します。

目標に関係ない仮説は、今回のリニューアルには関係ないものとして無視してしまうくらいにハッキリと線引きしましょう。

もしかしたら間接的に目的達成に寄与するかもしれないという考えは捨てましょう。

あやふやなそれっぽい仮説が残ってしまうと後の工程も膨らんでしまうので良いことはありません。

仮説を検証する

かなりの数の仮説が残るとは思いますが、それらを一つ一つ検証していきます。

この行為がいわゆる分析と呼ばれるものです。

この検証には「アクセス数が伸びれば売上が伸びる」といったような当たり前の結果であることもあれば、もう少し追加でデータをとってみないとわからないもの、何か施策を講じないとわからないものなどがあります。

例えば「男性のアクセスが伸びれば売上が伸びるのではないか」という仮説があった場合、一番正確なのは男性のアクセス数が伸びた状態でデータを集計することですが、それでは時間や労力がかかり過ぎてしまいます。

あくまでも現状手元にあるデータで検証する必要がありますので、アクセスを男女で分け、男性が購入している割合と、女性が購入している割合を比べてみましょう。

  • 男性の購買率が低い場合
    ⇒ 男性のアクセス数を伸ばしても効果は低いかもしれない
    ⇒ 女性のアクセス数を伸ばす方が良いかもしれない
  • 男性の購買率が高い場合
    ⇒ 男性のアクセス数を伸ばせれば効果が高いはず
    ⇒ 女性の購買者層の余白にアプローチする方が効率が良い可能性は残る

このように仮説を検証(データを分析)することにより、取るべき行動が絞られてきます。

闇雲にアイディアを出して実行するよりも、データを根拠に論理的に行動を決定する方が目標達成の可能性はあがるでしょう。

そしてもしも目標が達成できなかった場合でも、どこが悪かったのかを巻き戻して検証することができ、修正することも可能になります。

データが全てではありませんが、せかっく集計しているデータがあるのであれば、リニューアルプロジェクトの成功率を少しでもあげるために利用しない手はないでしょう。

意味のない分析

データの分析を敬遠する人は

  • 自分の分析が合っているのかわからない
  • 分析結果に意味があるのかわからない

と思ってしまう傾向にあります。

データの収集の仕方や分析の方法についてはより正しいやり方が存在しますが、いくつかのポイントを押さえておけばまったく意味のない分析になってしまうことは避けられるのでチャレンジしてみましょう。

複数の期間のデータを採用する

これはとても重要な考え方です。どんなに優秀な人でも単体のデータからの分析は難しいです。昨日1日だけのデータを見ても何もわからないのは想像し易いと思いますが、これは一ヶ月分のデータだけがあっても同じで、前の月がどうだったのかと比較しないと何も導き出せないのです。

ですので集計期間が長ければ長いほど比較対象が増え、平均値が取りやすくなり、同じ条件が繰り返されることになるので、データの重要性が格段にあがります。

  • 毎日何時頃が成績が良いか
  • 毎週何曜日が成績が良いか
  • 毎月何日頃が成績が良いか
  • 毎年何月がが成績が良いか
  • 毎年どの季節が成績が良いか

このように区切って分析ができるデータを採用しましょう。

ピンポイントに注目し過ぎない

データを出すとどうしても尖った部分に目が行きがちです。

それ自体は悪いことではありませんが、考えを固執し過ぎないように気をつけましょう。

例えば毎週水曜日の売上が他の曜日に比べると多いのがわかったとします。しかしながらずば抜けて多い訳でもない。そういったデータがある場合は要注意です。

ここで水曜日に何かあるはずだと思い込み過ぎないように気をつけましょう。もちろん何か理由があるかもしれませんが、特に理由がない場合もあります。

理由がない場合というのは、

  • 単純に水曜日のアクセスの母数が増えたので売上に反映されただけ
  • 社会的な行動原理でどんな人でも水曜日がたまたま購買意欲が強くなる傾向にある
  • BtoB商材の場合、火曜日に稟議が降りて、水曜日に決済完了となる場合が多い

など、間接的な理由やコントロール不能な理由のことを指します。

アクセス数の伸びと売上の伸びが比例しているというデータは裏付けという意味では有用と言えますが、誰もが想像できる結果でもあるため、あまり胸を張って主張できる類の分析結果とは言えないでしょう。

イレギュラーを加味しない

とある日のアクセス数と売上が極端に多い場合があったとき、何があったのかを確認するのはとても大切なことです。

もしもそれと同じ条件を再現することができるならば、これほど良い施策はないからです。

ただしそういったイレギュラーは再現性の低い外的要因が重なっただけの可能性があることも充分に注意しましょう。

偶然であることがわかって落胆するだけなら良いのですが、イレギュラーによって引き上げられた数字の影響を受けて、他の数値に影響が及んでいたとしたら大変です。

例えば、ある火曜日に爆発的に売上があったとした場合、そのまま曜日別売上比較を出したら火曜日の売上げが良いということになります。

しかしその火曜日を除いたら実は火曜日は一番売り上げが落ち込む曜日だったとしたらどうでしょうか。

せっかく立てた仮説が無意味なものになってしまうでしょう。

こういった特徴的なデータを含む場合とそうでない場合を見比べて、データに惑わされないように注意しましょう。

こうしてまとめてみるとどれも当たり前のように感じられるのではないかと思いますが、これらを意識するだけで本当に見るべきデータが見えてくるのではないかと思います。

コツは点ではなく線で見ることを意識することです。

自社のホームページにおける強みを確認する

営業戦略上の強み、先進性や特殊性があれば、それがデータに現れているかを確認しましょう。

会社や商材として特別な差別化ポイントを見いだせない場合でも、ホームページとしての強みがデータに現れていることもあります。

まとめ

データの分析は難しい面もありますが、見れば見るほどわかってくることも増え、より自社のホームページや訪問者に対する理解が深まりますので、一度は自分でやってみることをお勧めします。

どうしても数字を見るのも苦手という人は、得意な人をアサインするか、社内にそういった人がいなければ外部の有識者を頼るのも良いかもしれません。

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