競合企業のホームページをチェックする
初版公開日:2019/4/14
最終更新日:2019/4/20
現状分析を終えて、そろそろ自社サイトを見るのにも飽きてきた頃かと思いますので、次は他社のサイトを見ていきましょう。
よく使われる分析手法の3C分析でいうところの「Competitor」を調査することになります。
既に「Customer」と「Company」についてはホームページのターゲットを明確にするとホームページリニューアル前に現在のサイトの課題抽出を行うで終えています。
競合企業をリストアップする
既にベンチマークとなっている競合企業が複数社存在していればこの手順は必要ありませんが、確認の意味も込めて新しい企業が台頭してきていないかや、他分野からの参入がないかなどを調べてみましょう。
リストアップの方法に特別なことはありません。インターネットなどで調べて競合となり得る企業を記して行くだけです。
営業などをする部署があれば、そのメンバーに最近よく聞く競合の名前があるかを聞くのもよいでしょう。
この際に注意したいのは、事業の売上げとしての競合だけではなく、ホームページの目的に合わせた競合も集めなければならないということです。
例えば求職者を増やしたいという目的があった場合、同業他社はもちろんのこと、業界として競合となり得る企業についてもリストアップしていきましょう。
もしも自社が業界トップだったとしても他業界に人気が流れていた場合、そこから奪っていかなければパイは増えていきません。
そしてもう一つ注意したいのが、企業単位ではなくドメイン(サイト)単位で集めるということです。
企業によっては目的ごとにサイトが作られている場合がありますので、コーポレートサイトだけではなく、他のサイトもないかも確認しましょう。
チェックするポイント
いざリストアップした競合企業のホームページを開いた際、何をチェックしたらよいかわからないと思います。
ここでは基本となるいくつかのチェック項目を紹介いたしますので参考にしてみてください。
どういった目的のサイトなのか
外見からは推測するここまでしか叶いませんが、そのサイトが一番大事にしているであろうことを考えてみましょう。
どの目的に対しての競合なのか
商品の競合なのか、採用における競合なのかなど、そのサイトが自社のサイトで叶えたい目的の何に対して競合なのかをチェックします。
Google・Yahoo!での順位
キーワードの選定から行い、すべてのキーワードごとに調べる必要がありますが、まずは自社を検索して欲しいメインのキーワードで検索した際にそのサイトが何位に表示されるかを記しておくと良いでしょう。
その際に自社サイトが何位だったかも併記しておくと目標の値として計測しやすくなります。
主要SNSの有無
目的ごとにサイトを所有している企業があるように、ホームページとは別にSNSを用いて目的の一端を担わせている場合があります。
WEBという広い視点で見れば、ホームページだけではない色々な手法が考えられますので見逃さないようにしましょう。
現状の自社サイトより優れているか否か
何をどう比較するのかによって違ってきますが、デザイン、コンテンツ量、わかりやすさなどで比較してみましょう。
細かく採点する必要はありません。優れているか同じくらいか下かを大雑把に記しておきましょう。
リニューアル後にはどのサイトよりも優れていると自信を持って言えるようにするのが目標となります。
気になった機能やデザイン
良いものをどんどん真似して取り入れて行くために、良いと思ったものは記録しておきましょう。
オリジナリティの部分まで真似てしまうのはNGですが、カスタマイズしたり組み合わせたりすれば新しい何かが生まれるかもしれません。
一言で言い表すとすればどんなサイトか
サイトの特徴を元にどんなサイトかを一言で言い表してみましょう。いつか自社のサイトをどのようにしたいかを考える際に役に立ちます。
難しく考えることはなく、感じた感想をそのまま書けば良いです。
「コンテンツは多くて素晴らしいが、結局何が言いたいのかわからないサイト」とか「とにかくデザインが目を惹くサイト」などといった感じで良いでしょう。
スマホ対応の方法やSNSボタンのあるなし、ブログがあるかないかなど、他にも気になるポイントがあれば追加しましょう。
競合サイトを見比べながらポジショニングを確認する
ポイントを絞って比較してみると少しずつ自サイトをどのようにしたいのかがイメージできてくると思います。
その朧気ながら見えてきたイメージをハッキリさせるためにポジショニングマップというものを作ってみましょう。
ポジショニングマップというのは、ある比較軸に対して対象物(WEBサイト)がどのようなレベルにあるのかを視覚的に示すもとのなります。
ポジショニングマップテンプレート(PDF形式)をダウンロード
ポジショニングマップの作り方は比較軸を選ぶのが難しいですが、比較要素を二つ選びそれを縦軸と横軸にして、自社及び他社がどこに属しているかを示すものとなります。
ポジショニングマップは一つではなく、いくつかの組み合わせを試してみると良いでしょう。
例えば「コンテンツ量とデザイン性」という軸でポジショニングマップを作成した場合は以下の4つに分類することができます。
- コンテンツ量は豊富でデザイン性も豊か
- コンテンツ量は豊富だがデザイン性は乏しい
- コンテンツ量は乏しいがデザイン性は豊か
- コンテンツ量は乏しいしデザイン性も乏しい
しかしこの2軸の場合、両方とも「豊富」であることが基本的には求められるため、実はこのマップはあまり有用ではありません。
有用なポジショニングマップにするためには、優劣つけがたい要素を軸にするとよいでしょう。
例えば「デザインが派手かシンプルか」という軸と「TOPページのファーストビューの情報量が多いか少ないか」というような軸にすると
- デザインが派手でTOPの情報量は多い
- デザインが派手でTOPの情報量は少ない
- デザインがシンプルでTOPの情報量は多い
- デザインがシンプルでTOPの情報量は少ない
こういった4択になります。
このようにどれが良いかは即答できない分類ができる方がポジショニングマップがうまく機能するでしょう。
これに対して競合他社がどのあたりに属するかを配置し、現在の自社のサイトがどこに属するかも記録しておきましょう。
どういったポジショニングを目指すか
競合他社を調査する最大の目的はここにあります。
リニューアルの目的を設定しても、どのようなサイトにしたらよいかの指標にはならず様々な手法が選び放題な状態です。
目的だけを追求し過ぎると、競合他社と同じような表現になってしまうことや、ビジョンに反するようなホームページが出来上がってしまうかもしれません。
例えば製品自体はシンプルで究極の使い易さをうたっているのにも関わらず、ホームページはガチャガチャしたデザインだとしたら、そのホームページの目的が叶ったとしても、他の何かを失うことになってしまうかもしれません。
目的という指標も大事ですが、そこへ辿り着くための手段についてもある程度幅を絞ってやる必要があります。
目標の達成のためには手段を選ばないということではなく、他の大事なものを阻害しないようにも注意を払う必要があるでしょう。
まとめ
調査系の仕事は時間がかかる割には地味で成果を表現し難い仕事です。
自社の情報が無いと上手な調査が出来ない側面もありますが、時間のかかる作業は外部の有識者に任せてしまい、自分はクリエイティビティの発揮できる仕事や社内調整などに時間を割くという手段もあります。
ホームページリニューアルラボではそういったことでお困りの企業様からのお問い合わせをお待ちしております。