誰がどこまでやるの?ホームページリニューアルの役割と担当範囲
初版公開日:2019/4/14
最終更新日:2019/4/20
このページは「ホームページリニューアル 役割 どこまで」といったキーワードで検索している人向けに書いています。
こんにちは。WEB制作会社で制作側として7年、事業会社で発注側として5年、WEB担当(ディレクター・エンジニア・SEOコンサル)として、中小企業から大手企業まで幅広いクライアントのWEB制作における課題解決をお手伝いしてきました竹内と申します。
このページに辿り着いた方は、ホームページのリニューアルにあたって自分たちでどこまでやらなければならなくて、制作パートナーにはどこまでお願いできるのかを知りたいという方かと推察します。
WEBサイト制作は多くの工程があり、どの工程を制作パートナーに任せるかは発注者側の自由意思となります。
ホームページリニューアルの全体の流れを理解するなどを読んで、まずは全体の工程を理解し、制作パートナーに何を求めてどの役割を依頼するのかを明確にすることをおすすめします。
よくある失敗
この役割の認識に相違があるプロジェクトはうまくいかないでしょう。
10個の工程があったとして、1~3番目は発注者が自分で行い、4番目以降を制作パートナーに依頼したつもりでいても、制作パートナーは6番目以降しか依頼されていない認識だったとしたどうでしょう。
当然、4番目と5番目の工程をやる人がいないため、そこで一旦頓挫するか、どちらかが補うことになります。
発注者が補った場合は「なんでこれをやってくれないんだ」という不満になり、制作パートナーが補った場合は「この仕事は見積りに入ってないんだけどな」という不満になります。
その不満が呼び水となり、他の工程にも歪が出始めるのです。
そうならないための予防策は簡単です。工程を洗い出して制作パートナーと共有し、誰が何をやるのかを明確にすればいいのです。
それをまとめたものをWBS(Work Breakdown Structure)といい、日本語だと作業分解図ということになりますが、役割分担表などと言った方がリテラシーの差による理解の齟齬がないかもしれません。
WBSを作るために工程を分解する
だいたいの工程はみんなが理解できていたとしてもプロジェクトによって細かい部分は違ってきます。
エクセルなどにホームページリニューアルの全体の流れを理解するなどを参考に、とにかく思いつく限りの工程をリストアップしてみましょう。
そして隣の列に役割分担を書きますが、「誰が」まで詳細に書ければ書き、まだ難しければ「自社」か「制作パートナー」かを記しましょう。
そうすることで認識の齟齬がなくなります。
ホームページの要件が決まらないと見積りができないのに、まとめるのも制作パートナーという矛盾
先ほど思いつく限りの工程をリストアップしてもらいましたが、すべての工程を網羅できたと自信のある方はどれくらいいるでしょうか。
ほとんどの人が自信が無いのではないでしょうか。
それはプロの制作者でも同じことが言えます。
経験があれば慣れてくるので大きな漏れを出すことは少なくなりますが、どうしてもプロジェクト単位で違いが出るために見落としがでたりします。
可能な限り見落としを減らすために、必ず複数人で確認するようにしましょう。
ここで疑問を抱く人もいるかもしれません。そうです。このWBSですが、発注者が自分達で作らなければならないものなのでしょうか?
こういったものこそ、慣れたプロの人間に任せるべきではないのかと疑問に思った人もいるでしょう。
まさにその通りです。
このWBSを作るということ自体を制作パートナーに依頼することも可能ですし、そもそもWBSを作る必要があること自体を知らない発注者もたくさんいます。
実はここにとても大きな矛盾が存在するのです。
詳細なWBSを作るには作るもの(要件)が決まっていなければなりません。
要件を決めるには制作パートナーの協力が必要です。
制作パートナーに協力を依頼するには発注が必要です。
発注するには見積りと要件が必要です。
見積りをするには詳細な要件が必要です。
はい。ここでグルグルしてしまいます。
発注側に要件を固められるメンバーがいればいいですが、大体がそうではなく、企画提案から要件に落とし込むところも含め制作パートナーに依頼したいと考えているでしょう。
ところが、受発注の契約が行われる前に無償で依頼するのは難しいという現実があります。
要件が決まらないと見積もれないのに、見積りがないと要件をまとめるための発注できないという困った構造になっているのです。
義理と人情でなんとかなってしまう欠陥
では、普通はどうしているかというと、だいたいの予算感とインスピレーションで制作パートナーを決めてしまい、そのパートナーに任せているのです。
望むことをやってくれそうな会社で、より安いけれど安過ぎない、なんとなく安心できる会社をパートナーに選んでしまうのです。
そしてそのパートナーが要件やWBSをまとめるうちに「見積りが高くなって」も、「なんとなく能力が低いと感じられて」も、「ちょっとコミュニケーションに難があったとして」もそのままプロジェクトを進めてしまうのです。
こうしてスタートから噛み合わなかったプロジェクトは途中で大幅な軌道修正をしない限りは二度と噛み合うことはなく失敗に終わります。
いや、失敗かどうかも判断できないプロジェクトとして終了してしまうでしょう。
工程別に発注を分けるという解決策
何百万円もの発注をまとめて行うのは大きなリスクであり、問題が発生した場合の軌道修正を難しくさせます。
請負側としてはまとまった発注を期待しますが、発注側は工程のすべてをまとめて発注する必要はありません。
極端な話、工程ごとに発注先を変えてもいいのです。
もちろんそれだけ手間や時間もかかりますし、病院の初診料のような感じでお金もかかりますが、例え結果的に同じ会社に全部を頼むことになたっとしても工程別に発注を分けるという考え方は有効です。
おすすめと言うほどではありませんが、ざっくりと制作工程に入る前と後で分けるのは理にかなっていると思います。
発注者の要望を聞き取り、目標を定め、予算を元に実現できる形にまとめて作るべきものを具体化する役割と、制作をする役割を分けることでリスクを軽減することができるでしょう。
公開後の運用は、制作を担当したパートナーがやる方が効率的ではありますが、そこも分けることはできます。
もっと細かく、企画・ディレクション・デザイン・システム・運用などと分けることも可能ですが、分ければ分けるほど管理コストはあがってしまうので、2~3社くらいが限界でしょう。
その管理自体を専門で行うプロダクトマネージャーを配置するという方法もありますが、なかなか予算の捻出が難しいのではないでしょうか。
まとめ
自分たちでやれることは自分たちでやれば目に見える予算は削減できますが、自身の工数を考えると結局は割高になったりもします。
プロに任せた方が速くて質が高いこともたくさんありますので、素人仕事で目的の達成確率を下げてしまうよりも、自身でやるのは難しいと思うことはプロに依頼してしまう方がよいでしょう。
ホームページリニューアルラボでは、発注前の事前準備のアドバイスをホームページリニューアルカウンセリングで請け賜わっています。
発注者様自身でも出来るけれどプロの助言があった方が自信を持つことができる、そんな領域のお手伝いをさせていただいています。
プロジェクトの始め方や、制作パートナーの探し方などに不安がある場合などは、お気軽にお問い合わせください。